2017年7月21日金曜日

インデックス投資批判に対して私は何も反論しない

 そもそもの不幸は日本企業の不甲斐ない体たらくであり、パッシブ運用に対する関心の低さは個人投資家の責任ではない。あなたは悪くないんだよ。

 とは言え、一部個別株投資家によるインデックス投資批判の背後にある無知と想像力の欠如ぶりは、いつも私に新鮮な驚きを与えてくれる。批判の文脈において、インデックス投資の「インデックス」は、なぜかTOPIXとして取り扱われている。
 日本の中小型株に投資する者ならば、せめてベンチマークとするインデックスは「ジャスダック(日本マクドナルド除く)」や「東証二部(シャープ除く)」であるべきだと強く思うところではあるが、どいつもこいつも判を押したように自分のパフォーマンスをTOPIXと比較する。
 理由は分かっている。自分の投資銘柄と似ても似つかないTOPIXをベンチマークとすることに深い意味などなく、無意識下で本当に「インデックス=TOPIX」だと思い込んでいるからなのだ。

 それも無理なからぬことだ。なにせ東証に上場されているETFの純資産額トップ20の内、TOPIXと日経平均(!)をベンチマークとするものは9割以上のシェアに達する。そんな世界に身を置いていれば、インデックスとTOPIXを同一視するようになるのはごく自然な流れと言えるだろう。もう一度言うが、あなたの無知はあなたの責任ではない。

 だから、頓珍漢なインデックス投資批判の全てに対して私はあえて反論することをしない。インデックスにはREITだとか新興国株指数だとかジャンクボンドだとかVIXだとか小型株だとか無限の広がりがあることに想像が及んでいない以上、私の反論は反論相手に届かず、虚しい独り言に終わることは目に見えている。

 以上、800字足らずの手抜き記事でした。
 いや、最後に一つだけめでたい事実を。この記事を書く前に最新のETFランキングを集計していたら、ついに日経平均ETFをTOPIX連動ETFが追い抜いた。よかったよかった。
(ただしもちろん、どちらのETFも長期投資の対象として相応しくないことは付け加えるまでもない。あくまでTOPIXが日経平均よりはマシだという程度の話に過ぎない。)

2017年7月16日日曜日

ウィンダム・ワールドワイド(WYN) -見過ごされた安定性-

 日本版ウィキペディアによれば「ウィンダムワールドワイドは米国ニュージャージー州パーシッパニーに本社を置くホテル経営企業である。」とある。そして当社が展開するホテルブランドが続く。ウィンダム、ラマダ、ハワードジョンソン、デイズイン、スーパー8…。
 ウィキペディアの記載通り、確かに当社は中価格帯を中心としたホテルブランドを展開している。しかし正確に言えば当社はホテルのフランチャイザーであり、自ら経営するホテルはごく一部に過ぎない。競合マリオットと同じく、ホテル事業の収益のほぼ全ては加盟店からのフィーによって成り立っている。さらに言えば、当社全体の売上・利益に占めるホテル事業の割合はわずかだ。主力事業は「バケーション・オーナーシップ」あるいは「タイムシェア」。直接競合するのはホテル会社ではなく、そこからスピンオフされたヒルトン・グランド・バケーションズやマリオット・バケーションズ・ワールドワイドになる。
 では聞き慣れないバケーション・オーナーシップとはどのような事業か。それはリゾート別荘を1週間単位で切り売りするビジネスとまずは表現できる。オーナーは権利を1口購入すると、対象の別荘について1年間の内、任意の1週間をそこで過ごすことができる。この権利をVOI(Vacation Ownership Interest)と呼ぶ。VOIは紛れもなく不動産所有権のため、相続もできるし他人に譲渡もできる。別荘を丸ごと自分で購入すると、滞在しない期間も固定資産税や修繕費などの維持管理費用が掛かってくるのに対し、VOIのオーナーは購入期間分の費用がウィンダムから請求されるだけで済む。

 ここまで読んで、長期投資家を標榜する何人かは当社に対する興味が失せたのではないかと思う。「ホテルにリゾート関連事業だって? もろに景気敏感株だから投資対象外!」
 まあちょっと待ってくれ。ウィンダムの利益の源泉はVOIの販売によるものではない。勝負はむしろ売った後のサービスなのだ。
 まずブランド管理や物件の維持管理を名目としたVOIオーナーからのマネジメント・フィー徴収。年間400-1000ドルが相場で、ウィンダムVOIの会員はおよそ90万人。
 続いてバケーション施設の運営収入。VOIオーナーは毎年購入期間分の余暇を別荘で過ごし、ウィンダムが運営する施設にお金を落としてくれる。オーナーは不稼働損失を避けるため、リゾートで休日を過ごさないと言う選択肢はないのだ。(もっとも、本当に仕事で忙しくてリゾートどころでない年は、誰かに権利を貸すこともできる)
 言ってみれば、VOIの販売とその後のサービス収益は、プリンターメーカーにとっての本体とインクの関係に似ている。本体では利益を出さず、本体を使用するのに不可欠な消耗品(サービス)で利益を得るビジネスモデルといえる。リゾート物件の所有権はVOIオーナーに移譲するためバランスシートも身軽である。
 フィーによる収益がどれほど安定したものか、次のEPS推移を確認しよう。


 一度は去りかけた長期投資家もこのデータを見て涙を流して喜んでいることだろう。ん、そうでもなさそうだ。なになに、「金融危機時の損益はどうなんだ」って? やっぱり知りたいですか。数値できちんと確認しようとするその姿勢、素晴らしいと思います。で、こうなってますよ。

WYN 金融危機前後の損益計算書


 2008年は大赤字。株価も大暴落していて、直近高値の38ドルから、大底の3ドルまで10分の1以下にまで落ち込んだ。
「やっぱりシクリカルじゃん。」そんな声が聞こえてきそうだが、2008年のこの赤字、実はのれんと無形資産の減損$1,426milが含まれてのものだ。減損を除けば営業利益は$596milであり、2007年比で15%の減益に留まっている。翌年の2009年に売上が大きく減っているのに営業利益は実質的に横這いで済んでいるのは、売り上げ減少が利幅の薄いVOIの販売減によるものだからだ。不況になるとさすがに別荘の権利を購入する者は減る。しかしすでに説明したように、ウィンダムにとってそれはプリンター本体を買う人間が一時的に減ったことを意味するに過ぎない。収益の大半は既存オーナーからのフィーによって成り立っているので、やはりリゾート関連企業というイメージに反して不況には強い構造になっている。
 ちなみに金融危機時に3ドルまで暴落した株価であるが、2017年7月現在、100ドルを超えている。底値から30倍以上の上昇である。

 PERが16倍程度に過ぎないため、今からWYNを購入しても投資家はそれなりの果実を手にすることができるだろう。しかし次に大不況がやってくるとき、当社はその収益基盤の安定性にもかかわらず、景気敏感型であるという投資家の誤った認識により、2008年と同じくこの世の終わりかというくらい叩き売られるかもしれない。ファンダメンタル投資家が本気で出動すべきは、まさにそういう時なのだと思う。少なくとも私は決めている。次の暴落局面に買うべき銘柄はウィンダム・ワールドワイドを置いて他にないと。

2017年7月11日火曜日

EV/EBITDA倍率の問題点

 問いは不意に投げかけられる。

 突然だが、これ、どっちが割安でしょう。


 こんな限られた情報でどちらが割安か即答できれば株式投資に苦労はない。あなたはそう思いつつ、私の宿題にしぶしぶ付き合ってくれる。
 誰しも真っ先に目が行くのはg列とh列。
 同じPERの2つの銘柄。しかしEV/EBITDA倍率は大きく違う。
 d列を見る。一つは無借金。一つは借金まみれ。

 ではもう一度。A社とB社、どちらが割安か。
 あなたはしぶしぶ答える。「PERは同じだけど、EV/EBITDA倍率が割安なA社じゃないのかね(他に判断基準がないからこう答えるしかないだろうが)」

 その回答に私からコメントする前に、EVとEBITDA、そしてEV/EBITDA倍率についておさらいしておきたい。
 上記の表を見てもわかる通り、EV(Enterprise Value)は有利子負債と時価総額の合算だ。時価総額はいいとして、なぜ有利子負債が企業価値を構成するのか。それは買収時をイメージすると理解が早い。例えばB社を買収するとしよう。市場に流通する株式を全部買い集めれば時価総額分の395のお金が必要になる。あなたはそれを銀行からの借入金で工面する。さあ、これでB社は晴れてあなたのものだ。するともれなく有利子負債1,500もあなたの連結バランスシートに組み込まれる。結局、あなたがB社を買収することで増加した有利子負債は、株式の買い集め用に工面した395と、B社がもともと持っていた有利子負債1,500の合算である1,895となる。これが有利子負債が企業価値(≒買収対価)を構成するということの本質といえる。
 次にEBITDA。Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation & Amortization。利息と税金と償却費が控除される前の利益。早い話が、営業利益に償却費を足した数値に近似する。ノンキャッシュ費用である償却費を足していることからわかるように、EBITDAは概念として営業キャッシュフローに近い。
 そんなEBITDAでEVを除すというのは、つまるところ「お前のキャッシュフロー創出力で買収価格を何年でペイできるんだ」と問うている。だから、EV/EBITDA倍率は投資回収年数を意味するので低い(短い)方が良いに決まっている。普通の教科書にはそう書いてある。

 だが、私に言わせればそこで終わってしまうのは明らかに思慮が足りない。企業買収シーンではそこそこ妥当な指標だとしても、パーシャルオーナーたる個人投資家にとって、EV/EBITDA倍率によるバリュエーション評価はあまり意味をなさない。私はそう考える。


 当たり前のことを思い出そう。B社の有利子負債は返済期限が来ても借り換えればいいだけだということを。減らす必要がないものに対し、一体全体、なぜ(営業)キャッシュフローで全額返済するかのような前提の指標を持ち出さなければならないのか。

 高い借り入れ比率は、むしろ事業の安定性の証拠である場合も多い。B社の事業はA社のそれに比べてはるかに安定しており、だからこそ傍目にはハイリスクな借り入れ依存に踏み切れているのかもしれないのだ。その時、EV/EBITDA倍率でははるかに割高に見えたエクセレントカンパニーであるB社の方が、収益変動が大きいがゆえに無借金経営というバッファーを持たざるを得ない凡庸なA社と同じPERで売られているという構図が浮かび上がる。
 EV/EBITDA倍率19倍の会社が5倍の会社よりはるかに割安であるかもしれないという主張は奇妙に思えるかもしれないが、バリューエションにおいてこれはありふれたことなのだ。

2017年7月5日水曜日

究極のインサイダーが自社株買いをする

 税金を無視すれば、配当と自社株買いは同じだ。ただし、投資家が配当を同じ銘柄に再投資する場合に限るが。
 どういうことかというと、自社株買いは投資先企業が問答無用で自社株に再投資してしまうのに対し、配当を受け取った投資家はバリュエーションを勘案してそのお金を他の銘柄に投資することができる。有利な投資機会が配当元の銘柄以外にあるのであれば、配当は自社株買いよりも優れた株主還元策と言える。
 しかし、企業が自社のバリューエションを十分勘案しながら慎重に自社株買いを実施するとしたらどうだろう。究極のインサイダー取引による超過リターンが投資家の手に届けられるのではないか。


 私は退屈していた。主力銘柄のフットロッカー(FL)は足元で株価が悲惨なほど下げているが、これがこのままズルズル下がろうと、市場が考え直して上げに転じようと、実際のところ私にとっては何の関係もない。次の決算やガイダンスで事業が劣化しているのか否かを確認しないことには"本源的価値"とやらにジャッジを下せないため、私は数値が公表されるのを身じろぎせずに待つしかないからだ。
 そしてFLのキャッシュフロー計算書を眺めていて気になることがあった。四半期ごとの自社株買いに大きな波があるのだ。具体的にはこんな感じだ。

フットロッカー自社株買い推移
 16-1Q $  88mil
 16-2Q $188mil
 16-3Q $  76mil
 16-4Q $  80mil
 17-1Q $  38mil

 16-2Qは極端に多く、17-1Qは少ない。
 最初はフリーキャッシュフローの額に合わせて増減させているのかと思ったが、そうでないことはすぐにわかった。例えば16-2QのFCFは$91milであり、自社株買い$188milはその2倍に相当する。一方、自社株買いが$38milと少ない17-1QのFCFは$84milで、こちらの還元額はFCFを大きく下回っている。
 そこでピンときた。自社株買いの額と相関があるのは、おそらく株価だと。

フットロッカーの自社株買いと株価の関係


 グラフ内に吹き出しでコメントも付けているのでもはや解説も不要だろう。フットロッカーは明らかに自社株が安いと思われるときに大量の自社株買いを実施している。おそらく、株価が絶賛急落中の17-2Qも同じだろう。
 自社のコントロール外の事象によって業績がじり貧になっていくこともあるので、いくらインサイダー情報を持っていても必ず儲かるわけではないのだが、バリュエーション無視で機械的に自社株買いを行う企業よりも優れた投資効率を発揮できる可能性はかなり高いと思う。

 同じくポートフォリオ上位のフィリップモリスは「ドル高のため今は自社株買いを実施するタイミングではない」と言っていて、実際に2015年度からそれまで積極的だった自社株買いを停止している。(筆者注:フィリップモリスは100%米国外で事業を営んでいるので利益の全ては米ドル以外の外貨だ。したがって、米国市場に上場されている自社株を買い付けるということは、PMが割高だと考えている米ドルを購入することに等しい)
 素直に受け取れば、自社のバリューエションを意識した還元施策だと好感を抱くところだが、同社の決算書を確認すると、単に配当支払いでフリーキャッシュフローを食いつぶしてしまっているため、追加還元の余力がないだけだということが分かる。ここらへんは実際に数値を確認していくしかない。


 こんな感じで、私が企業に継続的に投資を続ける一方、企業自身も自分の株価が安いときに上手に買い付けて私の持分割合を増やしてくれることをイメージしながら待つのであれば、流れる時間も無為ではない。

 最後にフットロッカーの決算を待つまでの暇つぶし用として私が定期的に見ている動画を貼り付けておく。これを見るとスニーカーフォーエバーという気分になって、良くも悪くも銘柄への思い入れが増すのだ。バイアスを植え付ける危険な行為なので、お勧めはしない。

2017年7月1日土曜日

マイ・ポートフォリオ(2017年6月末)

年初来リターン (円換算・税・配当込み) +3.4%
投資元本 28.1百万円


 6月にやったこと。
 保有するリテール関連銘柄へのヘッジとしてアマゾンを購入。
 その一方、リテール銘柄を更に買い増した。冴えない決算後も下落が止まらず、二ヵ月足らずで4割近くも下落しているフットロッカーを追加購入したのだ。購入原資はFRBの利上げと、ストレステスト合格で急騰していたウェルズ・ファーゴの売却代金。金利上昇の中で銀行株を売っていいものかという逡巡がなかったわけではないが、アポカリプス・ナウなリテールにベットせずにはいられない逆張り派の悪い癖が発動した。
 いくら小売銘柄とはいえ、フットロッカーは経営効率で劣る同業のフィニッシュラインや、アマゾンのホールフーズ買収で競争過多の懸念の矢面に立っている食品スーパーのクローガーなどよりもはるかにバリュエーションが低い。これを正当化する数値は一つとして出ていない。全て "MAYBE" で叩き売られている。市場が恐れるMAYBEが現実となるのか否か、静かに状況を見守りたいと思う。


<事務連絡>
 ブログ名を正式に「プレノンの株式投資」に変更しました。(以前の正式名称は"PRENOM's Stock Investment")
 親近感の向上を狙ったものです。

2017年6月25日日曜日

魅惑の香り フレーバー&フレグランス業界

 フレーバー&フレグランス業界は投資対象としても芳しい香りを放っている。
 食べる、飲む、体を洗う、掃除をする。人間が生きていくうえで欠かすことのできないこれらの活動の8割にビジネスが食い込んでいる。景気に左右されるのはブランド香水などの高級香料部門だけだ。
 購入した菓子、加工食品、ソフトドリンク、シャンプー、洗剤などの原材料構成の一番最後(つまり重量ベースでは最終製品に微々たる量しか入っていない)を見てみると、ほぼ確実に"香料"の二文字が目に飛び込んでくる。外食をしても香料から逃れることは出来ない。例えばマクドナルドのポテトが自家製よりおいしく感じるのも、揚げる油に独自の香料が入っているからだ。
 原材料は天然抽出物や化合物で、顧客の最終製品に占める香料原価は非常に小さい。香料メーカーは常に裏方にいて、その存在が表に出ることはない。柔軟剤のレノアに使われているフレグランスはどの会社のものか、P&Gも香料メーカーも決して口に出さない。しかし一般消費者に注意を払われることのない裏方とはいえ、それはコモディティではなく、製品品質の重要な部分を司っている。このビジネスはサイエンスとアートの融合だと言われる。大手香料メーカーにはフレーバリスト(食品用香料の調香師)とパフューマー(香水の調香師)と呼ばれる人材がおり、それを育成する専門の学校を擁している。ほとんどの香料が顧客の要望を受けて開発したカスタマイズ品である。
 独自の技術が必要で参入障壁が高く、市場は緩やかに成長しているこの業界、どのようなプレイヤーがいるのか見てみよう。


<2016年マーケットシェア>

1. Givaudan (ジボダン/スイス) 19%
2. Firmenich (フィルメニッヒ/スイス) 13%
3. International Flavors & Fragrances (米国) 12%
4. Symrise (シムライズ/ドイツ) 9%
5. 高砂香料 (日本) 5%
  ※パーセンテージは世界シェア


 香料は化学と相性が良いため、各社のルーツもそれを反映している。
 シェア1位のジボダンは2000年に製薬のロシュから分社化された。
 2位のフィルメニッヒは独自路線で成長してきた非上場会社だ。
 4位のシムライズは化学大手のバイエル子会社がルーツ。
 21世紀に入って香料大手は買収を繰り返してシェアが集約されていった。世界中で製品を売っているP&Gやネスレには供給の安定性から世界中に展開している香料メーカーしか入り込めず、トップシェアメーカーらの独壇場となっている。とはいえ、香料各社の顧客は広く分散されている。例えばIFFの顧客数は3000を超える。
 次に会社の利益率を比較してみよう。


各社業績比較(2016年度)


① 売上高営業利益率
 ジボダン : 18.8%
 IFF : 18.2%
 シムライズ : 13.9%
 高砂 : 5.2%

② ROA
 IFF : 10.1%
 ジボダン : 9.9% 
 シムライズ : 5.3%
 高砂 : 3.6%

③ ROE
 IFF : 25.0%
 ジボダン : 19.6%
 シムライズ : 14.6%
 高砂 : 7.6%


 ジボダンとIFFは流石の欧米基準という感じで別格の数値(シムライズも見劣りして見えるが、買収による無形資産償却費を除いたEBITDAマージン率ではジボダンやIFFとほぼ同じ。つまり、高砂香料だけ日本企業基準で劣っている)
 最後に成長率とバリュエーションをチェックしよう。


 不況耐性が強いと言ったことを裏付けるように、金融危機時にもわずかな減益幅で収まっている。一方、2014年以降のEPS成長が足踏み状態なのはドル高と原材料価格アップのためだ。とんでもない成長株を期待すると肩透かしを食うが、持っていて何の不安もない類の銘柄と言える。
 で、バリューエションなのだが予想PERで23倍。ここだけそれほど魅力的ではない。当社は工業株というより、不況耐性や緩やかな成長を買われて、P&Gやコカ・コーラなどと同じ生活必需品株として扱われているようだ。

 今は我がポートフォリオの最下層に位置するIFF。いつでも虎視眈々と狙っているので暴落があればポートフォリオ上位に顔を出す日が来るかもしれない。