別れた彼女に会いに行く 1回目 -FL 2017年Q3-

 Ex-girlfriendの成功にも惜しみない拍手を送る。そういうイケメン系投資家を自認している。フットロッカー、30%以上の暴騰おめでとう!

 などと芝居がかった前置きをしてみたところで、FLの2017年Q3決算には何もサプライズはなかった。既存店売上高が前年対比マイナス3.7%(事前ガイダンスはマイナス3-4%)でトレンドは変わらず冴えないままだし、スニーカーブームの終焉リスクやアマゾン=ナイキの新たなる連合にどのように対処していくのかについての示唆も読み取れなかった。(市場にとってはネガティブサプライズが飛び出さなかったことがサプライズとなった)

 次の業績推移をご覧いただこう。



 重要なKPIである既存店売上高は、前年同期の2016-Q3がプラス4.7%と堅調だったため、直近決算の2017-Q3にとってはもともとハードルが高かった。+4.7%のあとの-3.7%だと、だいたい2年前の水準に戻った感じかと考えれば、そこまで深刻に捉える必要はないのではという見方も有り得よう。
 しかし、その2年前の2015-Q3決算を改めて確認してみると、
 売上高:1,794mil
営業利益: 217mil
だった。
 過去3年のQ3決算の営業利益を並べてみると(スニーカー売上は季節変動が大きいので、同じ四半期で比べる必要がある)、217mil → 234mil → 168mil と顕著に減少している。
 最大の要因はグロスマージン率の悪化だ。過去2年は34%もあった粗利率が、直近四半期では31%に急落している。この傾向は一つ前の四半期である2017-Q2から観測された。価格競争の激化が進行していることは疑いようがない。フットロッカーを襲っている災厄は、既存店売上高の減少だけではないのだ。実店舗を構えているがゆえにオペレーティングレバレッジの高い小売業者にとって、わずかな売上高や利幅の変化は、営業利益率に多大な影響を及ぼす。
(オペレーティングレバレッジについて詳しく知りたい方はこの記事を参照すべし)


 しかし光明もある。自社株買いだ。

 2017-Q3は、Q2と比べて一気に4%近く流通株式数が減少しており、経営者は今後の見通しについて強気であると考えることが出来る。実際、決算発表後に株価は暴騰しているので、少なくともQ3期間中に取得した自社株には莫大な含み益が生じている。

 私はあくまでオンラインが勝利し続けるというマクロなトレンドを信じるが、かつて懇ろだったフットロッカーの業績は、今後もウォッチしていく所存である。だから"1回目"なのだ。

コメント

  1. >Ex-girlfriendの成功にも惜しみない拍手を送る。私はそういうイケメン系投資家を自認

    落ち目になった女に交際を申し込み、その女がさらに落ち目になったことを理由に自分の方から交際を解消して別の女に交際を申し込み、そのあとすぐにモトカノが挽回したところで拍手をしたので、イケメン系ではない気がします。

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    1. 一つ勘違いしている。
      交際を申し込んだ時は学校カーストでも上位だったのだ。少なくとも表面的にはね。

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